苦しかった3週間

 この3週間、私の脳みそはあることに占領されていた。それは、就職活動。1ヶ月ほど前に就職口は無いかと数人に就職問い合わせメールを送っていて、そのうちS大学の1人から良さげなお返事をいただいた。メールには、一度ラボ見学に来てミーティングに参加してみないか、ということと、その次の週のラボミーティングでPh.Dの仕事の内容を発表してみないか、との旨が書いてあった。そのメールを受け取ったのがちょうど3週間前のこと。ただでさえ人見知りをする私が、アメリカの見知らぬラボを突然尋ねるなんてとんでもない事なのだが、どきどきした1週間を過ごし、思い切って訪問してみた。S大学と言えばアメリカでは有名なお嬢さん大学なので、やんごとなきお嬢様たちが原生生物を飼ったり、顕微鏡をのぞきつつ「ごきげんよう。」などと挨拶してるのかと思っていた。が、いざラボを訪れてみると最初に紹介されたのはguys4名。アメリカ人2名とブラジル人、エリトリア人。それぞれから研究内容の説明をしてもらい、ランチもご一緒させていただく。昼過ぎから始まるミーティングには4名ほどの女性も参加していた。その日はドクターの学生の発表を聞いて帰宅。そして翌週のミーティングで私が発表するはずだったのだが、翌週は吹雪のため大学閉鎖で中止。2週間で終わるはずだった苦しみが、1週間引き延ばされた。そしてようやく今日、無事に発表を終えて肩の荷が下りた。ボスとの話し合いでは、今はファンドが無いのですぐに雇う事はできないが、春頃にもしかしたらお金が入るかもしれず、そのときにはポスドクとして雇っていただける、とのこと。それまでは毎週水曜日のミーティングにだけ参加してはどうかとの提案。もちろん喜んで同意する。そんなわけで、この3週間はどこへ行っても何をやっても常に頭の中にはこの事があって、大変苦しかった。が、今となっては、ボスは大変良い人なうえにラボのメンバーも気さくでいい人ばかりなので、今後が楽しみになった。今後の具体的な研究方針の話もできたので、勉強すべき事や考えるべき方向性を決めて行けそうだ。
食べ物の話。今週、アメリカに来て初めて冷凍食品を買ってみた。アラスカ産天然ものの鮭、ハリバット、ツナの冷凍もの。早速ハリバットを使ってみる。塩と胡椒をふって、にんにくとオリーブオイルで焼き、最後に白ワインをふりかける。切り身が大きいので、食べごたえがあって美味しかった。