おしゃべり

 アメリカ人は本当によくしゃべる。強迫観念的にしゃべりまくる。そしてわりと誰にでも気安く挨拶をする。バスに乗ると、お互い知らない間柄にも関わらず、彼らは普通に会話を始める。乗客同士が話しているならまだいいが、なんと運転手にまで話しかけている。運転手の方も乗客の会話に突然割り込んで来たりする。あげくの果てには、乗客が運転手にリンゴまであげている。日本じゃ考えられない光景の一つ。バス停でバス待ちをしていても、おじさんに話しかけられる。ポスト・オフィスの配達おじさんだって、すでに顔なじみで車から手を振ってくる。他の州や街のことは知らないが、少なくともこの街の人たちはとても人懐こい。英語も満足に話せないままアメリカに来てしまったが、こちらの人たちのそういう人懐こさには、精神的にずいぶん助けられていると思う。