最初の10日間

  • お金について

 私が渡米するときに一番心配だったのは、お金をいくら持って行くかということと、アパートが決まるまでの生活のことだった。これから渡米する人の気がかりなこととしてかなり上位にこの2点があるのではないかと想像するので、ほんの一例として私の場合を書いてみようと思う。まず私の条件だが、家族は夫と私の2人だけで子供は無し。日本で働いていた所を退職し、今のラボに雇用されている。ので、今の給料の出所はすべてアメリカから。住んでいる場所はマサチューセッツ州の田舎町である。お金は現金で1000ドル、トラベラーズチェックで4000ドル持ち込んだ。現金について、私の住んでいる界隈では100ドル札はめったにお目にかからず、現金で使用するのは20ドルくらいが上限。それ以上になるとたいていクレジットカードを使用する。だから、あまり100ドル札は多く持たない方が良いと思う。私が住んでいる界隈のアパートの家賃は、1ベッドルームで一月だいたい850~900ドルくらい。入居のときにセキュリティーデポジットとして家賃一月分と最初の1ヶ月分の合わせて2ヶ月分、だいたい1700~1800ドルほど小切手で支払う。その他、生活必需品などを買うのはクレジットカードで支払えるので、私の場合は5000ドルくらい持ち込めば十分と思っていた。ただし、車を購入したいのならば、あと5000ドルくらい上乗せした方が良いかもしれない。こちらに到着してすぐに大学のIDを取り、まず銀行口座を開いた。その際に未使用のトラベラーズチェックを全額貯金した。買い物にはほとんどカードを使用したので、現金もせいぜい100〜200ドルくらいしか使わなかった。なお、最初の1ヶ月間で使用したクレジットカードは日本の物。アメリカに到着してすぐにドル建てカードの申し込みをして、SSNを取得してようやくそのカードを受け取ったのは1ヶ月以上たった後だった。アメリカでドル建てクレジットカードを作るのはクレジットヒストリーが無いとなかなかできないのだが、キャピタルワンなど、いくつかのクレジット会社はクレジットヒストリーが無くてもカードを作ることができる。また、ANA CARD USAや、プレミオカード(JAL)もクレジットヒストリーが無くてもカード作れるし、日本にいるときから申し込み可能なので便利だと思う。

  • アパート決定まで

 成田からNYまでの直行便に乗り(所要時間13時間)、NYのホテルで1泊し、翌日にアメリカ鉄道に乗って今住んでいる町までやって来た。当日はラボのボスが駅まで迎えに来てくれ、その日はボスの家に泊めていただいた。翌日からの3日間は、ボスがあらかじめ予約しておいてくれた大学のホテルに宿泊。この間にアパート探しをする。ラボのメンバーである中国人のニンとボスが、アパート探しの手伝いをしてくれた。はじめに大学の事務局が用意してくれたアパートリストに目を通し、さらにラボのメンバーのジムとブラッドがおすすめのアパートを教えてくれた。我々の条件は、1)1ベッドルーム、2)車が無いので、大学から徒歩圏内で買い物にも行きやすい、3)光熱費込み、の3点。リストの中で1点、良さそうな部屋があったので、見学をして予約だけをしておく。その後、ニンが大学のhousingの知り合いに電話をしてくれて、大学の官舎に1つ空きがあることを知る。予約していた部屋は家賃870ドルで電気代とケーブルテレビの料金がかかるが、大学の官舎は家賃710ドルで光熱費すべて込み、ケーブルテレビとハイスピード・インターネットも込み。というわけで、大学の官舎に入ることができた。最初に予約した部屋は、予約取り消し。この決定までかかった日数はだいたい5日間。しかし入居できるまではあと1週間ほど待たなければならなかったので、その間、1週間毎の支払いのモーテルに宿泊する。この間に、生活用品を買い込んで新生活に備えた。ベッドなどの大物家具はその後1ヶ月くらいかけてそろえることになる。結局、アメリカに到着してからアパートを決定して入居するまで10日ほどだった。