デビュー

 してみた。アメリカの学会。5日から9日まで、学会のためロードアイランドへ行っていた。ただでさえまだ十分な知識が無い状態なのに、学会に行く直前までデータを取れるとあっさり宣う親分。発表内容のうち3分の2は他人のデータなので、直前までのハードな実験と1週間の集中的な勉強で、肉体的にも精神的にもぎりぎりの状態だった。こういう感じは久しぶり。というか、今までで一番の限界点だったかもしれない。が、発表も終わってみれば良い事しか思い出さない。集中的な勉強のおかげでプロジェクト全体を体系的に理解する事ができたし、発表後にはいろいろな人からのサジェスチョンをもらえた。それからアメリカでの知人ができた事がなにより良かったことだ。アメリカで研究をしている一番のメリットと言えば、なんと言っても人脈と情報のネットワークにある。日本にいた頃はビッグネームで会う事さえ想像できなかった研究者からコメントをもらったり、共同研究をする事ができる。そしてなにより情報が早い。これは相当なアドバンテージになると実感する。私の所属するラボのメンバーはみんな直前までデータを出していたので、スライド作りは学会中も続く。毎晩ミキサーや飲み会の後にお互いの部屋に集まって発表の練習をすると、すでに時計は12時を回る。朝は8時からセッションが始まるので、毎日6時起き。疲れた体にむち打ってハードな日程をこなしたので、今週末は休む事にする。再来週はビザの変更のためにカナダへ行かなければならず、来週はその準備が待っている。通常の実験に戻れるのは8月も末。−80°でたくさんの細胞たちが待っているので、早くいつものラボ・ワークに戻りたいものである。
そして今日は午後も早々に帰宅し、夫の同僚に送るお別れのプレゼントを買いにモールへ。夫のラボからまた2人の同僚が去る事になったのだ。
2人とも良い職を得たのでめでたい事である。6時過ぎから夫の親分宅でfarewell party。ラボを去る2人のうち1人は10年近くラボにいたベテランなので、いなくなってしまうと寂しいだろうと思う。私のインタビュー用のスライドチェックも彼がやってくれたのだった。夫はラボであと数回会えるのだが、私は今晩が最後なのでお別れをする。11時半近くに帰宅。疲れた夫はソファで爆睡中。
明日はアップルストアへ行き、新しいiMacを見てくる予定。そろそろまとまったデータがでて来たこの頃、本格的にコンピュータ・ワークに取り組まなければならなくなった。ポピュレーション・ジェネティックスなので膨大な数のシークエンスを処理しなければならず、目が弱点の私には結構つらい作業である。ので、ここは多少の投資をして良い環境を作ろうと思い、家にiMac、大学と家用にMacBook Proの購入を検討中。ラップトップは大学のusedをかなり安く購入できるので、思い切ってiMacも買おうかと思っているところ。もちろんLeopardが出てからだが。
いくら安全な街とはいえ、ラボに遅くまで残っていると、暗くて人気の無い駐車場に行ったり遅い時間のバスに乗ったりしなければならず、ちょっと嫌な気分である。日暮れが早くなる冬に向けて、できるだけ早朝にラボへ行って6時頃まで集中的に実験をし、夜に家でコンピュータ・ワークをするのが望ましい。そんなわけで、12月までにはなんとか仕事環境を整えたいと思う。