Julie Delpy

 基本的に映画のDVDやビデオなどは買わないが、何度も見たくなるような映画は数本持っている。アメリカに来る前に買ったのは「Before Sunrise」と「Before Sunset」の2本。登場人物はジュリー・デルピーイーサン・ホークの2人だけで、映画の全編がこの2人の会話だけで構成されている。「Before Sunrise」は1995年の公開。列車の中で出会ったソルボンヌ大学の学生であるセリーヌアメリカ人学生のジェシーが、翌朝まで途中下車したウィーンの街をひたすら会話を続けながら散策する。2人の台詞はとても自然で、流れるような会話が延々と続くため、まるでドキュメンタリーのような作りになっている。映画は、別れ難い2人が半年後にウィーンで再会しようと約束し、列車に乗って去るセリーヌジェシーが見送るところで終わる。この9年後の出来事を描いたのが「Before Sunset」。映画自体も9年後の2004年に公開されている。小説家として成功したジェシーがパリの本屋のサイン会にやって来て、そこをセリーヌが訪れるところからストーリーが始まる。ネタバレになるが、前作で約束した再会は果たされなかったことが明らかになる。前作同様、全編会話で成り立っているが、2人とも若かった頃の前作との対比が面白い。また、「Before Sunset」ではジュリー・デルピーがギターを片手に歌うシーンがある。その歌がとても良い。また、彼女がNina Simoneの「Just in Time」に合わせて踊るラストシーン何度見ても飽きない。キェシロフスキ監督のトリコロール3部作で彼女のことを初めて知ったのだが、そのときはジュリエット・ビノシュ主演の「青の愛」がとても良かったし、「赤の愛」の主演のイレーヌ・ジャコブがあまりにきれいで、ジュリー・デルピーが出ていた「白の愛」はかすんだ存在だった。でも、この2本の映画でのジュリー・デルピーは知的かつ感情も豊かで、とても魅力的だ。

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