医療保険

 フェローシップの申請書を書くのに飽きたので、これから私が手続きをしなければならない医療保険制度について書いてみようと思う。これまでは夫のdependentの立場だったので、夫の大学での保険に加入していた。アメリカの保険料は非常に高額で支払いが大変なのだが、夫のラボでは夫の分はもちろん、私の分の保険料もカバーしてくれていた。家族分の保険料をカバーしてくれるかどうかは、それぞれの大学やラボによって異なる。ご主人がポスドクで働いていたある友人は、家族の保険料のカバーは無かったらしい。私の場合、夫の勤務する大学にHealth Service Center(保健管理センターの大きいバージョン)があるので、何かあった場合はアポイントメントを取ってそこに行けば良い。私が今働いているSmith Collegeでももちろんベネフィットとして保険料をカバーしてくれるのだが、まずは保険のプランを選ばなければならない。アメリカの医療保険制度については様々なサイトで説明されているのでいまさらとも思うが、一応書いておくと、主にHMO、PPO、POSと3つの種類から選ぶ事ができる。HMOはネットワーク内の医師の中から自分のprimary care provider(ホームドクター)を決める。専門医にかかりたいと思っても、ホームドクターの紹介が無ければかかる事ができない。患者負担料はこのプランが一番安い。PPOはネットワーク外の医師にかかることもでき、専門医に直接見てもらう事もできる。ただし、患者負担料は高額。POSはこの2つの折衷プランだが、基本的にはHMOと同じなので、ホームドクターを決めなければならない。さて私の場合、HMOとPOSの2つの選択肢がある。ふだんから直接専門医に見てもらう事ができる日本人としては、ホームドクターの紹介なしでは専門医に見てもらえないというのはちょっとストレスを感じる。というわけで、POSを選ぶ予定である。そして次に決めなければならないのがホームドクター。電話帳のようなドクター・リストを渡されたのだが、どうやって選べば良いのかわからない。医師の評判なんてさっぱりわからないし。こういうときは身近な人に聞いてみるのが良いと思い、ESLのチューターのジムに相談。すると彼も最近ホームドクターを変えたらしく(前のドクターが良くなかったようだ)、今のかかりつけドクターを教えてくれた。名刺をもらって来てくれたのだが、M.D.とD.O.の両方のドクターがいるため、私もここにしようかと思っているところ。D.O.だと整骨技術も取得しているので、よく関節をおかしくする私には大変良い。それにしても、アメリカの医療事情を知れば知るほど、日本の医療制度の優秀さが身にしみてわかる。日本では、ちょっと体の調子が悪いときでも気軽に病院に行く事ができる。が、アメリカでは料金の高さなどから結構ぎりぎりまで我慢をする人も多いと思う。それにアポイントメントを取る必要があるので、今すぐに見てもらいたいときでも数日から数週間待たなければならない(ERにはすぐに行けるが、べらぼーに料金が高い)。病気が治る一番の要因は早期発見だと思うのだが、日本の方が病院に気軽に行ける分、これが可能だと思う。ま、お金持ちの人にはアメリカの方が良いのだろうけど。