異邦人

 日本にいた頃はけっこうあちこち転々とした暮らしをしていたため、しばらく顔見知りがいる街に住んだ事がなかった。アメリカに来て半年が経つが、ここではすでに日々の暮らしのなかで顔見知りができている。USPSアメリカの郵便局)に行けば顔見知りのおじさんが声をかけて来てくれるし、バスを降りればドライバーが手を振ってくれる。ここの人々はたとえ表面上だけであったとしてもとてもフレンドリーなので、こっちが毎回挨拶をすると、急速に親しくなる傾向があるように思う。知人もいないアメリカに来てますます異邦人気分が大きくなるのかなーと思っていたが、実は全く逆だった。今ではこの街に結構長く住んでいる気分になってしまう。アメリカがどこでもこんな風だとは思わないが、とにかく私は今住んでいる街が大変好きである。