気長な人々

 日本人がせっかちなのか、アメリカ人が気長なのか、いったいどっちがどうなんだか判断しかねるが、とにかく私から見たアメリカ人は気長である。というか、彼らは「待つ」という行為を苦にしない(または、苦にしているように見えない)。スーパーマーケットのレジではレジ打ちの店員と客が行列ができているにもかかわらずおしゃべりしているし、ポスト・オフィスの窓口でも後ろに長ーい行列ができていようとも事細かに小包の値段の違いをを詳しく聞いて、ちょっとでも安いコースを選ぼうと必死な様子。レジでの支払いのときにはチェック(小切手)を使うと記入に時間がかかるというのに、のんびりとチェック・ブックをバッグから取り出し記入を始める客など。待たせる方も行列の事など眼中に無い様子だが、列を作っている人々もまた、気にする様子がない。この光景を見るたび、「これが日本だったら・・。」と思ってしまう。小銭の計算をもたもたしているだけで、後ろに並ぶ人たちの舌打ちの音が聞こえる気がする。そんな中で暮らして来た私。気長な方だとは思うのだが、急いでいる時などちょっといらっとしたりする。アメリカ生活に馴染むには、まだまだ修行が必要なのだった。