The Wind-up Bird Chronicle

 長い時間がかかってようやく読み終わった。すごかった。英語で読んで良かった。たぶん読むスピードが英語だと格段に遅くなるためかもしれないけれど、日本語で読んでいた時には感じなかったことを体験できた。それと、ずっと前からどうして人間は昔から小説を読むんだろうと思っていたのだけれど、やっぱり物語って手段として必要なんだなーということも実感した。哲学になっちゃうとそれはサイエンスと同じで専門家以外の人にはなかなかわかりにくいけど、小説家の仕事って、哲学で扱うようなことを物語として提供してくれることなんだと思った。それをするには自分のすごく深いところまで入って行って抽出して物語として変換する訳だから、タフな仕事だよなーと思う。今回の大きな収穫は、優れた小説は芸術なんだなとわかったこと。小説の読み方や、これから先読んでいく作家の選び方が大きく変わりそうな気がする。そういう意味で、かなりインパクトのある読書体験だった。