Hiroshima, mon amour

 邦題タイトルなんか付けずに原題のままで公開すれば良かったのに、と思う作品で思い出したのが、マルグリット・デュラス原作、アラン・レネ監督の「二十四時間の情事」。原題は「Hiroshima, mon amour」。反戦映画の撮影のため来日したフランス人女優と日本人建築技師との一夜の出来事の話。といってもそこは「去年、マリエンバートで」のアラン・レネ監督だけあり、映画の内容は独白と広島の記録映像とフランス人女優の大戦中の出来事の映像が、とめどなく流れるだけ。ストーリーはあって無いようなもの。この映画に「二十四時間の情事」というタイトルはないだろうと思う。映画は原爆投下のあった広島、第2次大戦中にドイツ人を恋人に持った女性の顛末、それらをめぐる記憶と忘却が大きなテーマだと思うのだが、このタイトルではちょっと勘違いをしてしまうかも。「Hiroshima, mon amour」での日本人建築技師の役は、「また逢う日まで」のガラス越しの接吻シーンが有名な岡田英次。倒れるくらいかっこいいので、彼を見るだけでも価値あり。

二十四時間の情事
二十四時間の情事
posted with amazlet on 07.02.27
ハピネット・ピクチャーズ (1998/06/25)
売り上げランキング: 102192