Once

 久々にかなり好きだと思う映画を見た。ストーリーは、ダブリンの街でギターを弾きながら歌う青年がチェコスロバキア移民のピアニストである女性と出会って、2人で(正確には後に3人のストリート・ミュージシャンが加わって5人になる)音楽を作り上げて行く、というもの。2人が出会ってすぐに、女性が青年を楽器店へ連れて行き、作った歌を演奏するよう促す。その曲に女性がピアノを重ねて行き一緒に歌いだすのだが、これが非常に良かった。その後、お互いにそれぞれの恋人や夫との問題を抱え込みながらそれをベースに音楽を作り上げて行き、路上で演奏していたベース、ギター、ドラムスの3人を加えた5人でCDを制作する。でも、このコラボレーションはたった1度だけのもので、CDの制作後は青年はロンドンへ旅立ち、女性は離ればなれになっていた夫が一緒に住む事が出来るようになり、元の暮らしを送って行く。最後に、青年はロンドンへ発つ前に2人で最初に合奏した楽器店へ立ち寄り、女性にピアノを送る。この映画の中では日常生活にごく普通に音楽があって、お金がない中でなんとか作った音楽を形に残すという所がいいなと思うところだ。また、映画の中で演奏される曲はどれも良く、帰宅してからまんまとiTunesでチェック。世の中にはまだまだ知らない良質の音楽が至る所にあるんだなーとしみじみ思う映画だった。